■ワイキキ・レクチャー・シリーズ #2
『ブレヒトの『戦争案内』研究』 vol.3
日時:2025年6月15日(日)Open 18:00 / Start 18:30
料金:¥2000(税込・当日精算)
講師:『戦争案内』研究会
聞き手:大谷能生
『戦争案内』研究会:
石見舟(ドイツ演劇研究者)
小池俊起(デザイナー)
西澤諭志(写真家)
羽鳥嘉郎(演出家)
古屋敬洋(会社員、俳優)
持田睦(演出家、ユイレ&ストローブ研究者)
【『戦争案内』研究会第三回です。各国で出版されたヴァージョンがズラリと揃って、ブレヒトと戦争との関係も俎上に載せられ、まさしく「戦争の時代」である現在、ホント人ごとではない亡命作家の創作の軌跡を辿る会となっております。「戦争のABC」を「写真集」として出すことの意味は?】
<企画概要>
『戦争案内(原題:Kriegsfibel)』は、ベルトルト・ブレヒトが1955年に刊行したフォトエピグラム。第二次世界大戦当時、亡命先の各地でブレヒトが新聞や雑誌から切り抜いた70枚の写真にそれぞれ4行詩を添えた、きわめてユニークな写真集である。
https://www.eulenspiegel.com/verlage/eulenspiegel-verlag/titel/kriegsfibel.html
ドイツ国外でもしばしば注目され、英語・フランス語・イタリア語などに翻訳されているほか、美術史家・哲学者であるジョルジュ・ディディ=ユベルマンが同書にもとづく著書を刊行している(邦訳『イメージが位置をとるとき』宮下志朗・伊藤博明訳、ありな書房、2016年)。しかし『戦争案内』そのものの日本語訳は単行本化されていない。
当研究会では、『戦争案内』をブレヒトの「異化」「演出」についてビジュアルを伴って考えられる恰好の題材であると位置づけ、訳文を作成してきた。本レクチャーでは各回テーマを設けつつ、訳文付きで『戦争案内』を読み進め、そのおもしろさに触れてもらいたい。
2026年には没後70年を迎えるブレヒトの重要な仕事のひとつとして、『戦争案内』はあらためてひろく読まれるべきだろう。レクチャー内容を反映した邦訳を刊行予定。
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■ワイキキ・レクチャー・シリーズ#1
『21世紀(のため)の落語論』 第五回
「上方落語論、その続きと関西の諸芸能」
日時:2025年6月24日(火) open 18:30 / start 19:00
(↑前回より開始30分早くなりました注意!)
講師:和田尚久
聞き手:大谷能生
料金:¥2000(税込・当日精算)
【和田氏による落語論、前々回と同じく、再び「上方落語」とは何か? をテーマにお願いしました。話は近代における「話芸」および「演芸」の、現在へとつながる編成過程論へと膨らんでゆくことになるでしょう。吉本、松竹、宝塚、そして新国劇の話も出てくるはずです。昨年、日比野啓氏による『「喜劇」の誕生──評伝・曾我廼家五郎』(白水社刊)が出版されました。ここで示された研究を「落語」の分野から眺めてみることも試みられるかもしれません。大きな話ですね! よろしくお願いいたします。】
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ワイキキSTUDIOに美学者・ダンス批評の木村覚さんがやってきます!
木村さんは、2000年代以降の日本のコンテンポラリーダンスを語るうえで、欠かすことのできない批評の書き手のおひとりです。これまで数多くの上演の現場に足をはこび、ダンスについての思索を文章に綴ってこられました。
また、2014年からは「ダンスを作るためのプラットフォーム」BONUSのディレクターとして、福留麻里、砂連尾理、神村恵、篠田千明といったアーティストたちとともに「映像」を媒介にしてダンスを創作実践する取り組みもされています。
およそ10年前に「映像とダンス」を連結させたBONUS。それは、TikTokをはじめとした「ダンス映像」に囲まれた現代のメディア環境を先取りしていたともいえます。
他にも「障害」「ワークショップ」「アーカイヴ」など、ダンスの現況を考えるうえで大事なキータームがいくつもそこでは試みられていました。
しかし、それらはBONUSから今日に至るまで一直線に結びついているわけではありません。むしろそこには大きな隔たりを感じます。
「過去のダンスを振り返り、現在のダンスの環境を確認しながら、未来のダンスを開発する」
BONUSのウェブサイトに掲げられたこのステートメントの一文からは、過去の遺産を引き継いで未来に繋げていこうという意思が感じられます。
けれど最近は、ダンスの歴史や美学はとかく後回しにされがちです。地すべり的なこの変化はなぜ起きたのか。今回、その謎を深堀ってみたいと思います。
当日は、木村さんからBONUSでの活動を中心にお話をうかがいながら、昨今のコンテンポラリーダンスの潮流、さらに未来のダンスと社会の関係について、じっくり議論していくつもりです。
また、今回もオブザーバーとして大谷能生さんにご参加いただきます。大谷さんと木村さんは同世代で、ともに長きにわたって批評の書き手として活躍されてきました。おふたりが共鳴をしめす場面も見られるかもしれません。
みんなが「いいね」やPVを稼ぐことに必死のSNS時代に、まともにダンスについて考えるためのダンス談議です。どうぞお見逃しなく!
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