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ワイキキ・レクチャー・シリーズ #3

『コンテンポラリーダンスの門前』vol.4 「身振りと演奏 – 音楽家が語るダンスにおける時間の複数性」


【開催日】2025年8月29日 (金)

【開場】19:00 【開演】19:30

【料金】2,000円(税込・当日精算)

【出演】額田大志,大谷能生 ,萩庭真(聞き手)

こちらももう第四回の「門前」。ゲストはヌトミック、東京塩麹の額田大志氏です。何度かお会いしてますが、人前でちゃんと喋るのは大谷は初めてですね。歴史や概念を巡る大きな話になるのか、個別の、小さな、具体的な話になるのか、まだ決めていませんが、いろいろと映像/音楽も使いながら進められればいいですね。

以下、主宰萩庭氏のコメントです。

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このたび、作曲家・演出家・劇作家の額田大志さんをお招きして、ダンスと音楽の関係についてのトークイベントを開催します。ダンスにとって音楽とはどのような存在で、また音楽家にとってダンスの作曲・演奏とはどのような行為なのか。ダンスと音楽のただならぬ関係について、じっくり掘り下げて考えます。

なぜコンテンポラリーダンスのレクチャーで音楽家が語るのか?
もしかすると、そう疑問に思われている方もいるかもしれません。しかし、これには理由があります。

コンテンポラリーダンスの歴史をひもとくと、必ずと言っていいほどあがる名前。それは、1960年代のニューヨークに現れた、ポスト・モダンダンスを代表するダンスグループ「ジャドソン・ダンス・シアター」です。

ここのメンバーたちは、当時の古くなったモダンダンスに反旗をひるがえし、その後の実験的な新しいダンスのムーヴメントを牽引していくことになります。その中心メンバーが集まっていたのが、マース・カニングハムのダンススタジオで開講していた音楽家であるロバート・ダンのクラスでした。コンテンポラリーダンスの源流は作曲のクラスから始まった。そう考えると、コンテンポラリーダンスの本質に迫るには、音楽的な視点は避けて通れないことがわかってもらえるのではないでしょうか。

ゲストの額田さんは、バンド「東京塩麹」で音楽活動をされる一方、主宰される演劇カンパニー「ヌトミック」を中心に音楽的な背景をいかしたアプローチで劇作と演出もされています。昨年は音楽とダンスの接続点をさぐる『Super Dance! Super Music!!』という企画もおこなっていました。

そして今回も大谷能生さんにもがっつりトークに参加していただく予定です。ご存知のとおり大谷さんは、長年にわたって批評と音楽の分野で活躍してこられ、数多くの作品を世に送りだしてきました。おふたりには演劇やダンスの舞台音楽をいくつも手がけているという共通点もあります。

しかし、意外にもちゃんと話をするのは今回が初めてとのこと。ふたりの意見は、いかに交わり、すれちがい、そこからどんなダンスと音楽の関係が見えてくるのでしょうか。

ちなみに、聞き手をつとめる萩庭は、小学校三年の音楽の授業で音階の意味がまったくわからず落ちこぼれた、THE不協和音人間です。そんな私がふたりのプロフェッショナルなミュージシャンを前にどういった質問をくりだすのか。そちらにもぜひご注目いただきたいと思います。

音楽によって身体が動きだし、ダンスによって演奏がノッてくる。生演奏ではなく再生された音楽で踊ることが当たり前になっている現代において、そんな両者の結びつきをどう考えたらいいのか。身体と音のプリミティブな領域にわけいってみたいと思います。

異才の音楽家同士による白熱のダンストークをどうぞお見逃しなく!

【プロフィール】

額田大志
作曲家、演出家、劇作家。1992年東京都出身。

東京藝術大学在学中にコンテンポラリーポップバンド『東京塩麹』結成。ミニマルミュージックを現代的に解釈したサウンドで注目を集め、2017年にリリースした1st Album『FACTORY』は、NYの作曲家スティーヴ・ライヒから「素晴らしい生バンド」と評された。翌年、FUJI ROCK FESTIVAL’18に出演。2023年の3rd Album『Goodbye』は、台湾のインディー音楽アワード「Golden Indie Melody Awards」にて「ベストアジアンクリエイティブアーティスト賞」にノミネートされた。

また2016年に演劇カンパニー『ヌトミック』を結成。「上演とは何か」という問いをベースに、音楽のバックグラウンドを用いた劇作と演出で、パフォーミングアーツの枠組みを拡張していく作品を発表している。『それからの街』で第16回AAF戯曲賞大賞、『ぼんやりブルース』で第66回岸田國士戯曲賞の最終候補作にノミネート。古典戯曲の演出でこまばアゴラ演出家コンクール2018最優秀演出家賞を受賞。

その他の活動として2019年に初の小説作品『トゥー・ビー・アニマルズ』を悲劇喜劇(早川書房)に掲載。2020年度「文化庁東アジア文化交流使」。またJR東海『そうだ 京都、行こう。』を始めとする広告音楽や、Q/市原佐都子『バッコスの信女-ホルスタインの雌』などの舞台音楽も数多く手掛ける。

大谷能生
1972年生まれ。音楽家、批評家。数多くのバンド、セッションに参加する他、演劇・ダンス作品など舞台芸術にも深く関わる。著書に『日本ジャズの誕生』(瀬川昌久との共著)、『植草甚一の勉強』『平岡正明論』『歌というフィクション』『〈ツイッター〉にとって美とはなにか』『20世紀ジャズ名盤100』など多数。

萩庭真
萩庭真:1989年生まれ。ひねくれ演劇お兄さん。元オフィスマウンテンメンバー(2019〜2021)。現在は横浜の小劇場STスポットの職員。レジデンスプログラム「迂回スケープ」を企画担当する。人生でできた友達は3人。


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