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ワイキキ・レクチャー・シリーズ #3

『コンテンポラリーダンスの門前』vol.5


【開催日】2025年9月24日 (水)

【開場】19:00 【開演】19:30

【料金】2,000円(税込・当日精算)

【出演】Aokid,萩庭真,大谷能生

『コンテンポラリーダンスの門前』vol.5
「どうすればダンスから場が生まれるのか──劇場・ローカリティ・DIY」
日程:2025年9月24日(水)19:30(open19:00)
料金:2,000円(税込・当日精算)
出演:Aokid、大谷能生 、萩庭真(聞き手)
ゲストはAokid! 最初に彼を見たのは今は無き原宿ヴァカントでだったかなあ。もう大昔だ。多田淳之介演出の「コレオグラフ」で一緒に作品作ったり蓮沼フィルにゲストで出てもらったりと、関わり合いは割と多く、根掘り葉掘りいろいろ聞いてみたいこと多数なので楽しみです。(大谷)
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 以下、主宰萩庭氏のコメントです。

「門前」シリーズ第5回は、ストリートと劇場を自在に横断するダンサー/アーティストのAokidさんをお迎えします!

かつて「ストリート」はオルタナティブな文化の発信地でした。
それがいつしか管理された空間へと変化しつつあるいま、私たちはどこで、どのように身体を介した表現や対話の場を新たにつくりだしていけるのか。ダンスから生まれる「場」の可能性について、じっくり語りあいます。

1970年代に生まれたヒップホップや、スケートボードカルチャー、パンクロックに象徴される、都市に生きる若者たちを夢中にさせた「ストリートカルチャー」は、若者たちがみずからの手でそのスタイルとコミュニケーションの回路を切りひらいてきた歴史を持っています。
それはまさに、制度やルールの外側からまきおこるオルタナティブな文化の実践でした。

一方、コロナ禍を経た2025年現在、私たちの暮らす都市空間は、より快適で安全に整備されています。しかしその結果、社会の息苦しさは増しているようにも感じます。「ストリート」と呼ばれる場所がまちから失われることで、そこから排除される声、見えなくなる欲望、居場所をなくす身体もあるのではないでしょうか。

いま「ストリート」はどこにあるのか。
都市が私たちの社会から自由や偶然性を静かに奪ってしまっているとしたら、そのような時代にどんな文化的抵抗の手段がありうるのか。
ストリートと劇場、ダンスと美術、アートと日常など、いくつもの境界を軽やかに横断しながら、独自の方法と創意工夫で線を引きなおし、人々が集まる場をつくりだしてきたAokidさんとともに、私たち自身のローカリティをあらためて問いなおします。

身体の側から都市を見つめなおし、オルタナティブなダンスの場を自分たちの手によってひらいていくこと。それはもしかしたら、都市を上から「設計」するのではなく、日常の中で試行錯誤しながら、場所の意味や使い方を能動的に更新していく「タクティカル・アーバニズム」の考え方とも重なるかもしれません。
近年、注目を集めるこうした都市デザインの実践も参照しながら当日は議論を展開していく予定です。

ダンスは、どこで、どうやって、人と場所を結びつけ、新しい風景を生みだしていけるのか。
ダンスやアートに関わる方も、場づくり、まちづくりに関心のある方も、ぜひご参加ください。

【プロフィール】

Aokid
CMビタミンすぅ〜MATCHの影響などでダンスを始める。2008年までブレイクダンスチーム”廻転忍者”として活動、東京造形大学映画専攻在学中より舞台芸術や美術作品の制作を開始。卒業後、KENTARO!!氏の作品や企画などに関わることに始まり、”Aokid city”や”どうぶつえん”といった多様な分野との共同制作やパブリックへの試みを持つ。
横浜ダンスコレクションコンペティション1(2016)審査員賞受賞。

萩庭真
萩庭真:1989年生まれ。ひねくれ演劇お兄さん。元オフィスマウンテンメンバー(2019〜2021)。現在は横浜の小劇場STスポットの職員。レジデンスプログラム「迂回スケープ」を企画担当する。人生でできた友達は3人。

大谷能生
1972年生まれ。音楽家、批評家。数多くのバンド、セッションに参加する他、演劇・ダンス作品など舞台芸術にも深く関わる。著書に『日本ジャズの誕生』(瀬川昌久との共著)、『植草甚一の勉強』『平岡正明論』『歌というフィクション』『〈ツイッター〉にとって美とはなにか』『20世紀ジャズ名盤100』など多数。


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